白井晃と共にKAATをつくっていく。長塚圭史が芸術参与に就任
と話し、この抜擢の理由を「1番大きいのは、彼が僕より18歳も若いことです。私が経験してきた演劇的な経験と、長塚さん世代が経験されてきたことは違う。演劇観というものが徐々に変化していることを肌で感じており、そういう意味で長塚さんの若い視点が必要になると思いました。僕はこの劇場に“事件を起こしていきたい”と思ってやってきましたが、その事件を起こすためには馬力が必要です。今までが芸術監督ひとりでの1輪駆動だったとするならば、2輪駆動にして2年間走って、その状態で長塚さんに(芸術監督を)お渡ししたいという思いがあります」と述べた。
自身が演劇で積んできた経験がこの新しい任務にどう活かされるかの問いに長塚は「僕は、習慣的になって慣れ親しんで忘れてしまうことに対していつも危機感を抱いていて、“このままじゃダメだ”と思ったら、それは時に乱暴なやり方でも、つくっては壊し、壊してはつくって、どうにかやってきました。そういう思い切りの良さを携えながら、まずは参与をまっとうし、その先に繋げていきたいと思います」と答えた。長塚はこれから2年間、芸術参与の任務を遂行する。
また、同劇場で12月に上演される「常陸坊海尊」の演出を手掛ける。
取材・文:中川 實穗