と語っているように、“喜劇”と位置づけられてはいるが、それは単に笑える、面白い話というわけではない。坂口も「無茶苦茶一生懸命やっている姿に笑ってしまったり、笑わせようとしているシーンで逆に冷めてしまったり。“悲劇”とか“喜劇”って言い方はしますが、そこにどういう感情が芽生えるかは人それぞれ。つまりこの作品も、そこはお客さんに委ねちゃっていいのかなと思っているんです」と微笑む。
熊林と一部のキャスト、スタッフは、本番5か月前の段階からすでに、この何層にも入り組んだ戯曲を読み解く作業を進めているという。「僕はまだ参加出来ていませんが、『かもめ』の時も実感したんですよね。すべての角度から解釈を進めていくことで、どんな変更にも違和感なく対応出来るということを。本番に向けて少しずつ固めていく作業ももちろん大切ですが、熊林さんの場合、1度つくったものでもどんどん変えていって、全部がまるで液体のように混ざっていく。
それって上澄みだけじゃなく、作品の理解度がすごく深かったからこそ出来たことだなと。だから今回も、オーランドという人物の内面にどれだけ迫っていけるかが非常に大事になると思いますし、その作業が今からとても楽しみです」