高校演劇の名作を小野莉奈、石原壮馬ら若手俳優が熱演
それぞれが役に向き合い、演出の奥村の言葉をひとつも逃さないと言ったような真剣な表情で稽古に取り組んでいる。舞台経験の少ないキャストが多いこともあり、奥村が「どんな気持ちで動いた?」「今の高校生ってどうなの?」とキャストたちの考えや、意見を聞きながら時間をかけて一緒にシーンを作っていくのが印象的だ。物語は甲子園の試合中に進んでいく高校生たちの会話劇のため、「ライトフライの時は…」、「ファウルの時は…」、「スコアボードを見る時は…」など、観戦する際の目線や体の向きなどの細かいところも丁寧に演出をつけていく。休憩に入っても、キャストたちは各々セリフや動きを確認したり芝居の話をしたりする姿が見られ、ひとりひとりの、芝居や役に対する誠実さや思いの強さを終始感じる稽古であった。
演出の奥村はキャスト陣について「まだシャイな部分がある。このお芝居のように、熱いものを感じられるような役者になって欲しい」と期待。また、開幕までの残りの稽古期間について「諦めたくない。どのお芝居でも、絶対にできないことはあると思う。
だけど自分はしつこいので、いつも通りに最後まで妥協せず、ひとつも諦めずにいきたい」と作品に対する熱い思いを語った。
公演は6月5日(水)から16日(日)まで東京・浅草九劇にて上演。チケットは発売中。