駒田一、日本初演50周年の白鸚ドン・キホーテとコンビ役!
その後、年齢を重ね繰り返し観るうちに、作品の“何か”に心を突き動かされるようになったと明かす。
「例えば、劇中に散りばめられたグッとくる台詞の意味を、あれはどういうことだろうと考える時間も人間にとっては有意義なこと。それだけでひとつ観た甲斐がある。分かんなくてもいいと思う。感じることができれば。ドン・キホーテには風車が怪物に見えるけれども、囚人たちは最初、誰もそれを理解できなかった。だけど次第に何かを感じ取って心動かされていく。最後に彼らが初めて役を離れてドン・キホーテに向かって『インポッシブルドリーム(見果てぬ夢)』を歌う場面は、あれを超えるエンディングはないんだろうなって思うくらい感動しますね」。
酎ハイサワーのマドラーをストローと間違えたり、舞台袖でこそっと「1日2回公演は無理だよ」とおどけてみせたり。オチャメな一面も大好きだが、役者白鸚の志の高さに毎回胸打たれると言う。「僕よりふた回りほど年が上の白鸚さんが昨日より今日、今日より明日と進化を追求されるので、稽古が何より楽しいですね。同時に苦しくもあるんですけど(笑)。一番好きなシーンは、さあお芝居を始めようと白鸚さんが舞台上で化粧をするところ。