結婚の意味って?オリジナルミュージカル『おでかけ姫』上演中
“愛”や“結婚”という重みのあるテーマを描きながら、確かな歌唱力とポップな音楽で、軽やかに展開していく本作。コメディタッチな表現や、タップダンスをはじめとするダンスなども楽しく、“王室”や“テレビ局”というどこか私たちの日常とは距離のある設定ながら、いつのまにか同じ世界に引き込まれていく。マル王女のストーリーは、夢の世界ならではの思わず笑ってしまうようなハチャメチャ展開もあるが、そんな中だからこそ、水野をはじめとする実力派キャストたちの歌声によって説得力を持って届けられる“愛”や“想い”が鮮やかに際立っていた。クライマックスの水野と中井によるデュエットでは、「何のために結婚するの?」「結婚って何?」と考えていたマル王女が知った答えがそのハーモニーからも真っ直ぐに伝わってくる。ミュージカルそのものの魅力が体感できる作品だ。果たしてマル王女そして丸岡は、どんな“結婚の意味”に辿り着いたのかをぜひ劇場で確認してほしい。
伊東えりが初演から引き続き演じる魔女や、今井清隆と渚あきが演じる夫婦など、個性豊かなキャラクターが揃う本作の上演時間は休憩なしの約2時間。ミュージカル『おでかけ姫』は9月29日(日)まで東京・六行会ホールにて上演中。
取材・文:中川實穗