中山優馬×鴻上尚史の新作『地球防衛軍苦情処理係』上演中!
というクレームが殺到する。地球のために戦ったハイパーマンへの感謝もリスペクトもない声に日菜子は激怒。深町にある計画を持ちかける――。
開幕前の囲み取材で鴻上が「今は、SNSなんかでみんなが正義の使者になっているというか、 みんなが自分を主張する時代になったなと感じたのが始まり」と話したストーリー。本作でも、登場人物たちの語る正義はそれぞれが理解できるもので、けれどその全てを通すのは現実的に不可能なものでもある。劇中の応酬に「じゃあどうすればよかったの?」と思わずにはいられない、けれど覚えのあるやり取りだ。
とはいえシリアスな作品というわけではなく、怪獣の戦闘シーンは演劇の楽しさ満載で、今回は多めだというダンスシーンも華やか。職場のシーンはやり取りが面白く、恋のシーンはロマンチック。
登場人物ひとりひとりが生き生きとしていて、彼らを見ていると、人は浮かれもすればヤケクソにもなる生き物で、それが言動に直結するということをやさしく思い出せる。けれどその“一時の感情”から生まれる言動こそ世のクレームの対象になりがちなのだ。では正義とは何なのか?真実とは?愛とは?エゴとは?彼らの迷いはどう結着するのか、ぜひ劇場で確認してほしい。