くらし情報『片岡仁左衛門、親子孫三代で演じる南座「顔見世」を語る』

片岡仁左衛門、親子孫三代で演じる南座「顔見世」を語る

「忠臣蔵の中でも、七段目の力弥が一番やさしそうに見えて一番難しい。どれだけやれるか、ひとつの試金石になります。まだこれからだから、荷が重い。でも、役者は経験していかないと成長しないものですから」。伸び盛りの千之助の演技にぜひ注目を。

また、由良之助の役については「雰囲気が必要。遊興に浸っている雰囲気を、作るのではなく醸し出せるように。演技力ではなく、身に付いたものがものを言うので非常に難しいですね」と語る。
9回演じてきたが「七段目は完成度が高く、特に変えようと思って変えたところはないですね。やっている間に、その時の自分の気持ちで自然と変わっていくんです」という仁左衛門の至芸を堪能したい。

夜の部『堀川波の鼓』も仁左衛門が好きな狂言だ。夫・彦九郎が単身赴任中、酒の勢いで過ちを犯した妻・お種を軸に描く人間ドラマ。「彦九郎はお種に怒りはなく、同情も哀れみもある。しかし、武士として成敗しないといけない。そこにドラマの深さがあります。彦九郎の心が凝縮された最後の一言に、お客様も涙してくださるんじゃないかな」。
夜の部最後の演目は『越後獅子』。昨年は中村鷹之資とふたりで『千社祭』を演じた千之助が、今年は中村隼人、橋之助、梅丸改め莟玉(かんぎょく)

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