森公美子&朝夏まなと、修道女達と歌い踊る!『天使にラブ・ソングを』開幕
が変化していく様子が鮮やかに描かれ、まっすぐな歌に胸打たれる。
デロリスと、質実でオンチな修道女たちが、一緒に歌うことでのびのびと変化していくようすが1曲のなかでダイナミックに表現される。それはオーケストラの生演奏に引き込まれるように客席で前のめりになってしまうほど力強い。
ギャング達も憎めない。ボスのカーティス(今拓哉)は冷酷だが、キザで色気がある。部下たち(泉見洋平、KENTARO、林翔太)もドジだが明るく愛されキャラだ。ほか、デロリスを守る頼りない幼馴染の警官エディ(石井一孝)もまた、全編通して成長していく。
下町のレンガの壁や、教会のステンドグラスにも踊っているような人影があり、作品すべてが「歌って踊ろうぜ!」と誘いかける。
カーテンコールでは客席も一体になって、歌って踊り、鳴り止まない拍手で劇場は熱気に包まれた。
森は「再々演なのにも関わらず思い出せないところもあって(笑)」と言うが、そうは感じさせないパワフルなデロリスで客席を魅了した。一方、朝夏は「不安でいっぱいでした。でも、森さんがタイミングとか全て教えてくださって、そこから『よし、がんばろう』という気持ちになれました」と笑顔で振り返ると、森は「完璧ですよ!」と太鼓判を押した。上演は約3時間。
取材・文:河野桃子