山田うんが演劇初演出、前田旺志郎が初主演の舞台が1月開幕
“昔の作品”をこの2020年に上演することについて、山田は「いろいろな時代がミルフィーユのように層になっているのを感じる作品。戦後74年が経つけれど、嫌になっちゃうぐらい、その時と何も変わっていない」と所感を述べる。そして、「だからこそ今の私たちでも熱く感じたり、色々と実感できるところがあったりすると思う」。
前田は大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』でも水泳選手の役を演じるなど活躍を見せるが、舞台出演は2作目で、今回が初主演となる。ダンスも未経験で「最初はすごく不安だった」というが、山田の指導を受けるうち、「初めてだからこそプレッシャーを感じる必要もないし、真っ直ぐにがむしゃらにやる。無駄なものを背負う必要はない」と、考えが変化していったという。その上で、「2020年の1月ということもあって、この舞台を見て、何か一歩を踏み出すような勇気を持つ人が現れたらいいなと思う」とも語った。
そんな前田について、山田も「ぴったりの役。
彼は今19歳。ダンスでも演劇でも、この体に詰まっているものが毎日変わっていき、儚さを感じる。それが、作品で描かれているような、崖っぷちに立った人が見つめる眼差しや勇気などとリンクして、本当に物語とは思えないような実感がこもっている」と太鼓判を押す。
公演は1月19日(日)まで。チケット発売中。
取材・文:五月女菜穂