上演順が前後するが、シーズン開幕を飾るのはブリテンの《夏の夜の夢》。大野は「20世紀オペラは難解で敷居が高いと思われがちだが、底抜けに明るい喜劇、幸せになる現代オペラもあることをアピールしたい」と意図を述べた。プロダクションは2004年にベルギーのモネ劇場で初演され高評価を得ているデイヴィッド・マクヴィカー演出の舞台。新国立劇場が権利を買い取った。今後は他劇場へのレンタルも含めて、新国立劇場の所有レパートリーとなる。指揮はイングリッシュ・ナショナル・オペラ音楽監督でブリテンのスペシャリスト、マーティン・ブラビンス。
2021年4月の《夜鳴きうぐいす》と《イオランタ》の2本立ても、隔年プロジェクトであるダブルビル第2弾。「童話」つながりの2作品だ。
さらに今回は、これも大野が掲げる「ロシア・オペラの充実」という方針の一環でもある。
新国立劇場として4度目の新制作となる《カルメン》の演出を手がけるのは、スペインのアレックス・オリエ。昨年の新国立劇場と東京文化会館共同制作の《トゥーランドット》では、スケール大きな舞台装置と、姫が自ら命を絶つショッキングなラストシーンが大きな話題となった。