パワハラ上等? ようこそ、鶴瓶噺が誘う落語家の世界へ。
さらにラストは、しゃべりと映像のコラボで締めくくられる。
「今回のラストは、落語の世界の師弟や弟子同士の関係性がテーマになりそうです。落語の世界って、人間国宝にもなられた桂米朝師匠が、ご自身の師匠から言われた言葉がすべてだと思うんですけど“芸人になった以上、末路哀れは覚悟の前”ですから。なのに、いまの時代はパワハラってすぐに言われるでしょ?その言葉、落語家には無縁というか、ほっといてほしい(笑)。僕も師匠から怒られましたし、弟子には怒る。嵐の晩もあるから平和な1日がありがたいわけで、むしろ、思いっきり怒られたほうが向上するんです。うちにも怒られて1回クビになって戻した“べ瓶”という弟子がいます。戻す前は築地の市場に勤めたり観光バスの運転手をやったりしてたんですけど、そういう経験のおかげもあって、最近はかなりおもしろい。
ただ、アホですけどね。関西弁で、最下位やビリのことを“べべ”と言うんですけど、“師匠、ひらがなで“べべ”ってどうですか?”なんて平気で言うんです。お前は誰の弟子やねんと。鶴瓶の瓶はいらんのかって(笑)」
自然体で、すっとしゃべり始めてラストまで疾走する約2時間。剣豪的べしゃりの達人は、刀を抜く代わりに観客を笑顔にする。