くらし情報『仲道郁代、作曲家たちが背負った十字架に思いを馳せる』

仲道郁代、作曲家たちが背負った十字架に思いを馳せる

各作曲家が背負った人生を、どう音楽に昇華させたのか。苦しみ抜いたのか、または時に夢を見たのか。心模様に思いを馳せてお聴きいただけたらと思います」

すでに幾度もベートーヴェンのソナタ全曲演奏に取り組む仲道だが、「共感だけでは弾けない。構造的なものを踏まえないと説得力のある演奏ができない」作曲家だけに、昔は苦手意識があった。「でも、一度全曲演奏会をした後、音楽評論家の故・諸井誠先生とのレクチャー付きの全曲演奏会を行ったことで、ピアニストとして私は大きく変わりました。ある音をなぜそう弾くのか考える基礎を、徹底的に刷り込んでいただいたのです」

ベートーヴェンは32曲のソナタの中で、生きることとは何かを追求した。「彼が背負った十字架が何だったのか、正しい答えはありません。聴く人それぞれが経験に応じて別のことを作品から共感できるのが、クラシック音楽のすばらしさです」

そして最後となる2027年の公演には、ベートーヴェン「ハンマークラヴィーア」とショパン「葬送ソナタ」が置かれている。
「実は葬送ソナタは、亡き母の出棺の時に弾いた曲。以来、私は舞台で弾けませんでした。でも、音楽家としてこれを乗り越えなくてはならないとプログラムに入れました。

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