くらし情報『つかこうへいの「熱海殺人事件」を改竄して上演。その意図を演出家・出演者に聞いた【前編】』

2020年2月28日 17:15

つかこうへいの「熱海殺人事件」を改竄して上演。その意図を演出家・出演者に聞いた【前編】

いっそのこと“改竄”と言ったほうがしっくりくるんじゃないかと思います」

さらに中屋敷は昨今、省庁に情報公開請求をすると一部黒塗りとなって資料が公開されることから、現代では都合の悪いつかのセリフを敢えて黒で塗りつぶしてみたら、作品全体から毒が抜けてしまったという。「炭酸の抜けたサイダーみたいに、ごくごく普通の話になってしまったんです。危険なセリフこそが、つかさんの個性。つかさんが元々持っている言葉の魔力をどう伝えるか。今回は改竄版なので私が都合よくセリフを書き換えるのですが、現代だと居心地の悪い元のセリフとどう向き合っていくかがカギですね」

それにしても「ロンゲスト」や「モンテカルロ」で描かれた社会問題は、現在も未解決のまま積み残されている。オカマはゲイと呼び名を変え、平成初頭で差別された職業が別のものに取って代わられる。荒井はこの状況を「別の言葉で言い換えられてしまっていることがすごい。社会が昔と変わっていない」と話す。
また同性愛者の木村伝兵衛役を演じる多和田は、意気込みを興奮気味に語った。「“僕はバイセクシャル”とハッキリ言うセリフがあるんです。こういうセリフを堂々と言えるんだと。

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