声優陣が小説家・夏目漱石の誕生を熱演、『吾輩は猫である』開幕
飄々と人間を観察する小説に対して、チャーミングな<猫>像を立ち上げる。伊東は、繊細で神経質な<夏目金之助>を表情やジェスチャーをふんだんに盛り込みながら造形。“作家のすべてが表れる”という処女作において、なぜ人間でなく<猫>の視点を取り入れたのか──という理由が、説得力をもって明かされていく。
その彼と丁々発止の夫婦喧嘩シーンを繰り広げていたのが、金之助の妻である<鏡子>役の中村。この他にも幅広い声色で、金之助の教え子をイメージした人物として小説に登場する<水島寒月>や猫のガールフレンド<三毛子>など複数の役を見事に演じ分けていた。金之助と友人関係にあった<正岡子規>に扮していた笠間は、子規の壮絶な生き様を緩急自在の朗読によって体現。本作の屋台骨として作品を支える力強さを覗かせていた。
上演時間は100分ほど(休憩なし)。
公演は11月1日(日)まで。チケットぴあでは現在、当日引換券を販売中。■回替わりのキャストスケジュール
10/28(水)13:00=狩野翔、吉岡茉祐、三宅健太、工藤晴香
10/29(木)13:00=関俊彦、安野希世乃、汐谷文康、青山吉能
10/29(木)19:00=関俊彦、安野希世乃、西山宏太朗、大坪由佳
10/30(金)