本多劇場初進出、悪い芝居が贈る「観て元気になる芝居」
また、自分の中では、今のエンタメ業界とか演劇が置かれている状況もテーマになっています。不自由さとか、それに伴っての不寛容さとか、純粋だけじゃやっていけない状況とか、それに抗いたい気持ちとか。とはいえ、社会派なことをやりたいとは思っていなくて、僕はいつも“観て元気になるお芝居”にしたいという思いがあるので、キラキラしたファンタジックなものとして描いています」。
書き進める中で大事にしたのは、言葉の選び方だ。「今回は特に、描きたいもののイメージはあるけど、それを表す言葉がないものを描こうとしているので。でも意図と違うように伝わりたくない。意図せず傷つけることはしたくない。言葉を選ぶ中でやっぱり最後に行きついたのは、感覚的なものを大切にして書いたものが一番しっくりきましたね」。
客演には、劇団☆新感線の粟根まことをはじめ、柿喰う客の牧田哲也、さいたまネクスト・シアターの内田健司ら頼もしいキャストを迎える。「自分が今感じるものを書いて、一緒に立ち向かってくれるような方たちです。粟根さんは、きっとみなさんが見たことのない粟根さんを見られると思います。愛と命の話を真正面からやっているので」。
客席を半数にする他、劇場では感染対策を十分に行い上演する。