主演ダンサー二人が語る新国立劇場『コッペリア』の魅力
最初の登場から葉巻を吸っていたり、ちょっと格好つけたり、フェロモンが出るような振付なので、そういったニュアンスを出せるよう意識しました」と明かす。
もう一人の重要人物、コッペリウスは、スワニルダそっくりの自動人形を作り、自らの孤独を慰める、風変わりで少し恐ろしげな老紳士だが、当初プティ自身が演じたことでも知られる。この役に、新国立劇場バレエ団のスターとして長く活躍していた山本隆之と新鋭の中島駿野が配されたことに「驚きました!!」と興奮気味の奥村だが、共演する中島との演技について「予想がつかない(笑)。それだけに楽しみ」と期待させる。コッペリウスの人形とのダンス・シーンはプティならではの独創的な場面。奥村は「振付も感動的ですが、あの場面でぐっとコッペリウスの人間性、日常が見えてくるのが面白い」と指摘。池田は、「最後の場面のコッペリウスもグサッときます。メッセージ性の強いシーンですね。
このプティのバレエは日本ではなかなか観ることのできない作品ですし、大人のエッセンスが加わったバレエでもある。ぜひ楽しんでいただけたら」と語った。
公演は5月1日(土)〜8日(土)、新国立劇場オペラパレスにて。チケットは4月11日より発売。
取材/文:加藤智子