くらし情報『大竹しのぶが挑むユージン・オニールの壮絶な家族劇』

大竹しのぶが挑むユージン・オニールの壮絶な家族劇

お互い愛しているし、愛し合いたいのに、それがもう出来ない。みんながちょっとずつズレてしまったというか。生きるってこんなに辛いことなのかと、とても悲しい気持ちになります」

大竹が出演した前2作、さらに三浦春馬主演の『罪と罰』(19年)でも、舞台表現の豊かさを再確認させてくれたブリーン。本作ではいかなる世界を舞台上に立ち上げてみせるのか。「稽古中にフィリップは『ちょっと待って、今テネシーに聞くから』と言って、よく交信をしていたんです(笑)。今度はユージン・オニールと交信しながら、音楽、美術、セリフ、感情も含めて、すべてを埋める作業をしてくれるはず。そして私たちキャストは、一緒にユージン・オニールへの旅をする感覚。しかも偉大な戯曲であればあるほど、その旅はより面白いんです」

すでにブリーンからは、本作への想いを込めた熱いメールが届いているそう。
「すっごく長い、何ページあるんだろう?っていうメールが来ました(笑)。とても悩んでいましたが、『マクベス』のセリフ“明けない夜はない”というひと言もあって。私たちは幕を開ける選択をしたわけで、今はとにかくそこに向かって行くだけ。そしてその中で最高のものを作り上げる覚悟です」

取材・文:野上瑠美子
ヘアメイク:新井克英(e.a.t...)
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