奥方・玉の井を演じるが「菊之助さんがよく承諾してくれたと感謝しております」とにっこり。玉の井は過去に團十郎や左団次といった「立役でもかなり勇猛」な役者が演じたこともあり、“怖い女”というイメージもあるが「原点はかわいい女。ただ、嫉妬で豹変するところはしっかりとやりたい」と語った。
そして菊之助は「念願であった」という『身替座禅』右京役について「今回、時蔵兄さんが玉の井ということで、“怖い”ではなく“かわいい”奥さんであると。ただ、夫思いであるがゆえにそれが窮屈で浮気をしてしまう…。初演当時の原点を目指しつつ、父の指導を受けて務めたいと思います」と力強く語った。昼の『与話情浮名横櫛』では「しがねぇ恋の情けが仇」の名台詞で知られる与三郎を演じるが、こちらも「名台詞とともに、先人が残した型を大切にお届けしたいと思います」と締めくくった。
昨年、コロナ禍で博多公演が叶わなかったこともあって、今回の上演に対しては3人とも並々ならぬ思いがあるよう。
梅玉は「この状況下で舞台に立てることが本当に幸せ。満足して帰っていただけるいい舞台を一丸となって務めていきたいと思います」と思いを口にした。公演は6月5日(土)~19日(土)博多座で上演。チケットは発売中。