ニーノ・ロータ、モリコーネからスティングまで。幅広い年代層に懐かしい映画の名曲が並ぶ。
「聴いて映画のシーンが思い浮かぶ音楽。そしてジャズ的な立ち位置から見て、ミュージシャン自身が目を輝かせて弾いてくれるであろう曲を選びました」
そしてピアソラは、ピアソラ自身が最も愛したキンテート(五重奏)の編成で、北村、田辺、鈴木に、吉田篤(ヴァイオリン)と青木菜穂子(ピアノ)が加わる。日本のタンゴ・シーンを牽引する名プレーヤーたち。
「一応僕のプロデュース公演ですけど、このメンバーだと僕なんか丁稚みたいなものです(笑)」
ギター・ファンにとっては、鈴木がエレキを弾くのも注目だ。ピアソラのキンテートといえばギターはエレキ。フルアコっぽい音が出る楽器を求めた末に去年、アーチトップのギターを購入した。
それ以来、エレキでの出番も増えている。
中学生の時、「暴力的!」と母親に反対された映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』を、父親がこっそり見に連れて行ってくれた。映画好きだった父親はタンゴも好きだった。
「だから、だいたい父の影響ですね」
いわば自らのルーツを辿るコンサート。これを聴けば明日の鈴木大介が育つ!かも。
(宮本明)