2022年8月18日 12:16
spiの実力を近藤春菜が絶賛、『シュレック・ザ・ミュージカル』開幕
だがこうした世相を、キャスト・スタッフが生み出す“笑い”でコーティングしているのが本作の魅力といえるだろう。spiは卑屈ながら心の奥底に優しさを秘めたシュレック像を実現するだけでなく、緩急自在の“間”を使い分け抜群のコメディセンスを発揮。特殊メイクで表情はわかりづらいものの、繊細かつ力強い歌声から伝わるキャラクター像は非常に雄弁だった。
福田が打ち出す強烈なヒロイン像にも笑わされた。救出の瞬間をロマンチックな出逢いの場にしようと目論む、シュレックとの不幸自慢をオナラ&ゲップ合戦(=子どもの観客に大ウケ)に発展させるなど枚挙に暇はないが、次々と繰り出されるコミカルな立ち居振る舞いが作品の明るさを支える。お喋りが止まらない陽気な吉田ドンキー、出オチ感に満ちた泉見ファークアード卿も劇世界のキャラクターになりきり、実力派揃いの“歌うまモンスター”が客席の爆笑をかっさらっていた。
閉幕後には初日会見が実施され、spiと応援サポーターを務めるハリセンボンの近藤春菜が出席。長年「シュレックじゃねーよ!」と否定し続けてきたからこそ「作品との縁が生まれた」と持ちネタを交えてコメントした近藤は、「特殊メイクをした姿であれほどの歌唱力と演技力、感動しました!」