くらし情報『気鋭の上田久美子がオペラ初演出!歌とダンス一体』

気鋭の上田久美子がオペラ初演出!歌とダンス一体

「歌手たちが役の心情を歌い、ダンサーたちが日本人の日常的な格好で表現する。そうすることで普遍的な人間の感情が重なり、昔も今も同じような社会の問題を抱え続けているということが見えてくる。当時のイタリアと現代の日本が重ね合わさった、重ね絵のようなものを作りたいと思っています」(上田)
人形であるダンサーたちには、加美男(カニオ)、寧々(ネッダ)、護男(トゥリッドゥ)、聖子(サントゥッツァ)といった、いわば「分身」の役名が与えられる。
分身は演技だけはない。通常の字幕とは別に、「人形」たちの心情を表す関西弁の字幕も投映される。
出演者の一人で、上田作品をよく知る宝塚出身の蘭乃はなはこう表現した。
「上田さんの作品にはいつも、私たちが普段見たくなくてフタをしていることを、無理矢理フタをこじ開けて突きつけてくるようなヒリヒリ感がある」
ヒリヒリする新しいオペラ。楽しみだ。
とはいえ、「オペラの醍醐味は音楽」と言い切る上田。すべては、初めてオペラを観る聴衆でも楽しめるようにと、情報を補うための工夫だ。音楽より演出を優先させるようなことはきっとない。安心。
全国共同制作オペラは2023年2月3日(金)・5日(日)東京芸術劇場、3月3日(金)・5日(日)愛知県芸術劇場で。
(宮本明)
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