白い壁に記憶を映して - LAMARCK 18SS【ランウェイのケセラセラ】
花を花として思い出す。白い壁をスクリーンにして、投影されるかのように歩いていくモデル達は、脳裏に浮かぶ記憶そのものだったのかもしれない。この春夏コレクションはデザイナー自身のルーツを元にデザインされている。テキスタイルに描かれていたのは長崎の風車だそうだが、私は昔一人旅で訪れた兼六園と池と魚を思い出した。
ラストルックは細い7色の糸が揺れるカットジャカードのツーピース。波佐見焼をイメージした青と白のコントラストが美しい、ラストにふさわしいルックだった。揺れる糸が残像を残していくから、ショーが終わる前にそっと目を閉じて時間と空間をリセットした。ランウェイの余韻をそのままにファッションショーが終わると取材陣は「囲み取材」と呼ばれる、デザイナーへの合同インタビューへと向かう。
ワイドショーで見るような光景だったのではじめこそ緊張したものの、今ではなんとなく、飲み込み方がわかってきた。普通囲み取材が終わるとそのまま解散、もしくは個別インタビューになるのだが、この日は違う。さっきまでランウェイだった会場が展示会場に早変わりしていた。See now, Buy nowならぬ、See now, Re-See nowだ。