白い壁に記憶を映して - LAMARCK 18SS【ランウェイのケセラセラ】
( Re-Seeとは展示会のこと。)
ショー後に服を手に取ることができるのは、日本だとだいたい数日後なので、見たその瞬間の感性や疑問をそのまま服にぶつけられるのはとても良い試みだと思った。パリで手伝った展示会の設営を思い出しながら、その大変さを想像して心の中で敬礼。時間と空間の融合、隔たりをなくすということをテーマに掲げたコレクションだったので、ショー会場 / 展示会場の境目をなくしたそうだ。
LAMARCKが描くようなストーリーを感じる服、背景が見える服は着る人の軸はもちろん、空間があってこそより魅力を発揮するものだと思う。服はたしかにデザイナーが思いを乗せて作り出すものだが、着る人こそが完成者になり得るのだ。
私たちは服を媒介にしてそのストーリー=記憶を受け取り、新しい記憶へと変えていく。その服を着てどんな空間で生きていくかは、私たち次第。まさに発表されたこの瞬間はまっさらなキャンバスに並べられた状態で、時間と空間を越えて、何度も新生されていく。
text. Azu Satoh
オダカ×プリーク“フレアニット着想”パールブレスレット&歪み真珠のネックレス