30歳が近付いたら、「自分のことが書いてある!」本を探そう
そして、そういったこだわりの雑貨や調味料のなかに、松浦弥太郎さんが愛読する「小説」が混じっているんですね。
『日々の100』のなかに登場していた小説はジャック・ケルアックの『路上』とヘンリー・ミラーの『北回帰線』だったのですが、松浦弥太郎さんはこの2冊を17歳から愛読していたそうです。自由であること、自分らしくあること、独りであること、創造すること、夢を持つこと、誇りを持つこと、そんなことを教えてくれたのがこれらの小説だったのだといいますが、ちょっとお値段が張りそうな雑貨たちのなかにさり気なく登場する2冊の文庫本を、私はなんだか「いいなあ」と思ってしまったのでした。
旅先のフリーマーケットで見つけた洗濯ばさみとか、取引先でいただいて以来贔屓にしているお菓子とか、モノには物語がある。そして、本には思想がある。面白かったとか、感動したとか、勉強になったとか、そういう本だってもちろんあっていいのだけど、自分はこの物語と、この思想と共に生きてるんだ!という強固な1冊2冊があると、おひとりさま女性である我々も、もっと逞しく日々を乗り越えていけるのではないでしょうか。そして、そんなふうに思える小説の登場人物はきっと、「お前は俺か」