完璧よりも「まんざらでもない」人生を目指そう東京大学教授・玄田有史さんインタビュー(後編)
玄田:考え方の問題かもしれないけど、先のことがわからないからといって不安になるよりは、先のことがわからないから面白いんじゃないのって思えるかどうかじゃないのかな。
あと、おひとりさまで生きていくには、妄想力や想像力がとても大事になってくると思う。
おひとりさまは、家族や友だちが先に死んでしまうかもしれない、いざというときにひとりで野垂れ死にするかもしれない、という最悪の事態を常に自分で想像しないといけないわけでしょう。
それが嫌だなと思ったら、そうならないように、今できるだけのことを全力でやって、後はどうなってもしょうがない、と祈るしかない。きっとこれからは、そういう生き方や気の持ちようが必要とされていくような気がします。
――悲観的でも楽観的でもなく、粛々と自分の人生を生きられたらいいですね。
玄田:結婚しなくたって、良いことも悪いこともあるし、結婚したらしたで、良いことも悪いこともある。おひとりさまだからって、自己卑下する必要はないけれど、正当化しすぎる必要もない。
自分のことに満足してる人よりも、なんだかなあ、しょうがないなあって思いながら生きている人の方が、なんか信用できませんか?(笑)