一筋縄ではいかない恋愛小説家に学ぶ正反対の2つの視点を持つことについて
おひとりさまの読者のみなさんは、クリスマスや年始もお一人で過ごしましたかねそうですよね。一方の私は、「キリスト教徒じゃないんで」とかベタな言い訳をしつつ浮かれた街のムードを無視していましたが、今回はそんなみなさんに、喧嘩を売るかのごとくとある恋愛小説をすすめてみようかと思っています。
ロマンチックな『日々の泡』と、裁判沙汰になったもう1冊
©bortescristian
とある恋愛小説とは、ボリス・ヴィアンの『日々の泡』。こちらは岡崎京子が『うたかたの日々』という邦題で漫画化したり、ミシェル・ゴンドリーが『ムード・インディゴうたかたの日々』というタイトルで映画化したりしているので、なんらかの形でストーリーを知っている人もいるかもしれません。資産家の息子でお金持ちのコランが、パーティーで知り合った女性クロエと恋に落ち結婚するのですが、なんとクロエは肺に睡蓮の蕾ができるという奇病にかかってしまいます。クロエの病気を治すため、コランは常に部屋に大量の花を飾っておかなければなりません。しかし、日に日にかさんでいく花代のせいで、コランの資産も乏しくなっていき……というのが主なあらすじです。
このように、あらすじだけ記述するとよくある「病気が2人の愛を引き離しちゃう系」