「クール便」配達のリアル【キャリア14年・元宅配ドライバーに聞く】
しかし実際、どの宅配業者も完璧なクール便の受け取り体制が整っているかというと疑問が残るところです。
設備と人手が圧倒的に不足しているのです。つまり完全なキャパオーバーなのです。
■ ドライバーの負担を軽減する対策が急務!
ドライバーがクール便を配達する際に使う「クールバック」をご存じでしょうか。
銀色に光った箱。
配達する際にあらかじめ冷してあるクールバックにクール便を入れ配達に行きます。
夏のクール便の配達でドライバーは、日陰を探してまるで忍びのように背を壁にして配達します。
それでも夏の炎天下の元、いくら保冷剤を入れているとはいえクールバックの中の温度は徐々に上がっていきます。
セーラム / PIXTA(ピクスタ)
配達完了できない場合、クールバックに不在のクール便を入れたまま他の荷物を配達したのでは温度低下の恐れがあるので、営業所に戻り冷蔵庫もしくは冷凍庫にすぐに保管しなければなりません。車のクール便の貯蔵庫もエンジンを切ってしまえば、温度は上がってしまいます。
温度を保つためには、常にアイドリングをしなければならず、騒音やCO2などの環境問題にもつながります。