東京駅にも導入!マンション地震対策の最新兵器「免震構造」って?
6月18日に発生した大阪北部地震ではブロック塀の倒壊や家具の転倒が問題となっていますが、筆者が知る限りにおいてマンションではエレベーター停止以外の重大な問題は発生していないようです。
地震の多い日本において、地震に対する備えは日々進化しており、被害の軽減に絶大な効果を発揮してきました。
今回は最近になって増え始めた建物の「免震構造」についてお話しします。
■ これまでの建物の地震対策は「耐震」と「制振」の2つだった
日本では長らく31mまでという高さ制限があったため、9階建て程度の建物しか建てられず、日本初の超高層ビルである霞が関ビル(高さ147m地上36階建て)が誕生したのは昭和43年になってからです。
Ryuji / PIXTA(ピクスタ)
日本において建物の地震対策としてはこれまで「耐震」と「制振」が中心でした。
「耐震」は柱・梁を太く頑丈につくり、建物全体の強度を上げることにより揺れの力に立ち向かおうというもので、恐らくマンションの大半はこの考え方に基づいていると思います。
「制震」は揺れの力を「柳に風」で受け流す仏教建築である五重塔の構造をヒントにしたといわれ、地震のエネルギーを吸収するダンパーなどを建物内の骨組みの部分に設け、建物自体で振動や衝撃を吸収する構造となっています。