吹き抜けの基本的な役割は、上の階と下の階を結びつけるというものです。
それによって、平面では感じられなかった上下の断面的な空間関係が生まれてきます。
空間そのものの大きさによる立体的なひろがりは、視覚的な開放感だけでなく、家族の雰囲気や声をつなげ、住まいをより豊かに感じさせることができます。
とはいいましても、天井を高くすると、それによって部屋の空気が温まりにくくなるというデメリットも生じます。
空調などを検討しながら吹き抜けに対する明確な目的を考えるということも大切です。
そこで今回は、吹き抜け空間に対する温熱環境をどうフォローしていくかについて、お伝えしていきます。
■ 吹き抜けの空気の流れ
まず吹き抜けによる空気の流れを確認していきましょう。ご存知の方も多いと思いますが、温かい空気は上にいき、冷たい空気は下にいきます。
それが冬のここちよさを妨げる要因となっています。
つまり、上下空間の温度差にムラがないようにすることがポイントとなってきます。
■ 熱が逃げにくい箱を用意すること、つまり断熱が大事!
OrangeMoon / PIXTA(ピクスタ)
温度差にムラが出ないようにするためには、熱が逃げにくい住まいの箱を用意すること、つまり断熱基準を満たすことが重要です(住まわれている地域ごとに断熱基準が定められています)。