2000年以上前アリストテレスが確立した人を動かす3つの要素
人を説得するのは難しいもの。しかし、「説得する」ということについての答えを明確にしている書物が、約2300年前に生まれていたのだそうです。
それは、古代ギリシャの哲学者であるアリストテレスの著書『弁論術』。
『どんな人も思い通りに動かせるアリストテレス無敵の「弁論術」』(高橋健太郎著、朝日新聞出版)は、そのような考えに基づき、アリストテレスがこの書物で示した「説得のための技法」を紹介した書籍です。
とはいえ、なぜいま、アリストテレスから弁論術を学ぶ必要があるのでしょうか?
著者によればそれは、アリストテレスの弁論術が、歴史上の「話し方」に関する書物のなかでもっとも重要で、もっとも現実の議論に役立つから。
■アリストテレスの理性的な弁論術
アリストテレスは、彼が生きた時代に流行っていた、感情論で聴衆を説得するような弁論術をまったく認めていなかったのだそうです。
なぜなら、論理的な説得こそが「本体」であり、感情論はあくまで「付属物」にすぎないというのが彼の考える本当の弁論術だったから。
しかも彼は感情論を「付属物」としながらも、それを自分の弁論術から排除しなかったのだとか。