すべての悩みは「人間の三大煩悩」を観察するだけで解決できる?
たしかに、それを知るだけでもモヤモヤは晴れていくものですが、ここで注目すべきポイントがあります。
モヤモヤが晴れていくとき無意識で実践しているのが、本来の仏教——「心を浄化する修行」なのだということ。
■「人間の三大煩悩」で心の状態を理解
ちなみに「貪欲」「怒り」「妄想」は、伝統的には貪(とん)・瞋(じん)・癡(ち)の「三毒」と呼ばれ、「人間の三大煩悩」とされています。
そして現在に伝わる仏教が、こうした煩悩を「戒めなさい」と説いていることも有名な話。
しかしブッダが生きていた当時、これらは「心の状態を理解するためのツール(方法)」だったというのです。
そもそも“ブッダ”とは、「正しい理解をきわめた人」という意味で、「目ざめた人」「覚者(かくしゃ)」とも呼ばれています。
重要なのは、「正しい理解」とは「自分が正しいと考える」ということではないということ。つまり「自分流の見方・考え方で理解する」という意味ではない。
むしろ逆で、「自分はこう考える」という判断や解釈、ものの見方を一切差し引き、物事を「ある」ものを「ある」とだけ、ありのままに、客観的に、主観抜きの“ニュートラル”な目で見据えるということ。