最初のレートは1ドル=1円だった!池上彰が語るお金の歴史裏話
になるか、イノシシ肉はどれだけの「ネ」と交換できるか、そこから「値」という言葉が生まれたのだそう。また、「貨幣」の「幣」はもともと「布」という意味だとか。
普段何気なく使っている言葉に、こんな歴史があったとは驚きですよね。
■現在のお札はただの紙切れ
とはいえ、稲や布はかさばります。持ち運びが簡単で腐らない金や銀、銅でお金がつくられるようになり、両替商が登場し、いつでも金と引き換えられる預かり証がもとになり、お札が生まれたのだそうです。
日本も1942年までは、お札は金と交換することが約束された「金本位制」でした。しかし現在のお札は、金と交換することはできない不換紙幣。実態はただの紙切れなのです。
それなのに、お金として使えるのはなぜでしょう。池上さんはこう考えます。
金と交換できないのだから、極論すればただの紙。しかし私たちは(お札を発行する)日本銀行を信用しているので、これを「お金」として使っている、と。
さらに日本の場合は日本銀行券がお金として通用すると法律でも定められていて、その「信用」と「法律」のもと、ただの紙切れがお札として価値を保っているといいます。■1ドル=360円になったワケ
江戸末期に開国した日本は、アメリカと貿易を始めました。