値引きはしないのに増収増益を続けている「吉田カバン」の仕事術
となっていたのに、クリアランスセールの時期になると例外が許されなくなり、「今後、バーゲンを行うから必ず商品を何本か出してほしい」といわれるようになっていったのだとか。
立場的に断ることができなかったため、やむなく対応した時期もあったとはいいます。しかしそれが何度も続いたので、「とてもこれ以上はおつきあいできない」との判断を下し、結果的に取引を減らしていったのだということ。
メーカーと店舗との間で、ありそうな話ではあります。
しかし近年は、取引を再開するケースが増えているのだそうです。
吉田カバンのそうしたスタンスを理解してもらえるようになり、ブランドイメージが崩れないよう、「セレクトショップ的な商品構成の売り場で扱いたい」といったような依頼が多くなってきたから。
方向性や考え方が認知されたということになりますから、時間がかかったとはいえ、これは理想的な展開だといえるのではないでしょうか?
■あまり商品の値上げもしない理由
ちなみに吉田カバンでは、値引きをしないかわりに、頻繁な値上げも行わないのだそうです。
同社のカバンの主要顧客層は社会人男性。
だからこそ多くのカバンは、1万円台から4万円台の価格帯に抑えるようにしているということ。