借金が0円の会社は潰れる?無借金経営の意外なリスクが明らかに
では、どうやって現金を増やしたらいいのかといえば、銀行から借りる以外にないということ。
現金は、会社の血液。だとすれば、止まったら倒産してしまうということになるはずです。どんなに儲かっていようとも、現金がなければ賞与も給料も支払いも不可能になってしまうのです。
この考え方を立証するために、著者はここで注目すべき事実に焦点を当てています。それは、リーマンショックのあと、多くの老舗が黒字倒産しているということ。
なぜだかおわかりでしょうか?それは、無借金経営をしていたから。売掛金の増加や大量の棚卸資産によって資金繰りが悪化し、現金がなくなり、その結果として倒産してしまったということ。
いまの時代は変化が早く、お客様のニーズも、ライバル会社の動きも、刻一刻と変化し続けているものです。そんななか、「利益が出てから設備投資をすればいい」と悠長に構えていたのでは、すぐに取り残されてしまって当然。
だからこそ、設備投資やお客様を増やすための借金は、未来への投資だと著者はいうのです。
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自らの実績基づいているだけに、著者の考え方にはとても説得力があります。また、いまはまだ会社経営者でない人にとっても、お金に対する考え方を固めるうえで本書は役に立つでしょう。