実は43%が偉い人を上座に案内できていない!席次マナーの基本
(鈴木さん)
タクシーなどのように、外部の運転者がいる場合は運転手の後ろ、つまり、左側から乗った場合の後部座席のいちばん奥がいちばんの上座。「入り口からいちばん遠いところ」と考えると、これも応接室での上座下座と同じルールと言えそうですね。
しかし、たとえば取引先の車で送迎してもらうときなどに、本来上席に座るはずの方が運転するというケースもあります。そんなときは、助手席にいちばん目上の方が座る、ということも、新入社員研修ではよく話題になります
「そういった基本を押さえたうえで、さらに柔軟になっていただきたい、というのが最近のビジネスマナーの考え方です。たとえば、もっとも上位の方が高齢で足が悪いという場合はどうでしょうか。上位席だからといって、運転手の後ろの席まで進んでいただくのは大変そうですよね」(鈴木さん)
確かに。ではそんなときにはどうしたらいいのでしょう?
「乗り降りが楽なように入り口近くにお座りいただきたいときは、代わりの者が奥に入ることになります。その際にひとこと『お先に失礼します』と断ってから進めば問題ありませんよ」(鈴木さん)
教科書通どおりの規則に縛られることなく、こうしたさりげない思いやりを表すことこそがマナーの基本である、と鈴木さんは強調しています。