死と向き合った男性が語る「残された時間をどう使うべきなのか」
“なにとなにを”“なにからはじめて”確実に仕上げるかということなのだというのです。
いままでは、なんでも無限にできるような気でいたからこそ、気持ちだけ先で、後回しになることも多かったのだとか。しかし人生の集大成には(せめて熟年になったら)、死ぬ前の「死んだ気になって」の発想で、確実にやり遂げることも大切だと考えるようになったそうです。
そういう気持ちで、未来の残された時間を計算しながら仕上げていくと、ミスやロスや無駄がなくなることに。つまり効率がよくなるわけで、いままでにない新しい発見や、具現性のある答えも出るといいます。
■死ぬ前に夢や計画の多くを断捨離
そして著者は、「死ぬ前のこの境地は“買い”」だと主張しています。死ぬ人がいうのだから間違いないとも。
死の宣告を受けたことで、心の水面に大きな石を投げ込まれ、波紋が広がって一気に気持ちが沈んだといいます。
そして以後の11日間を、人生でいちばん長く感じたそうです(この11日間のことも、本書では詳細につづられています)。でも、その期間を過ぎると、気持ちがだんだん沈静化していったのだというのです。
潜在意識のなかから、死の覚悟をつくる最適解を選択し、確実に心の波紋を沈めたということ。