人の陰口で慰謝料20万円!損害賠償を請求される身近なトラブル
第一審では、サッカーボールは蹴り方によっては事故が起こることは予想できるため、両親が少年を監督すべき立場にあったという判決が下りました。そして監督責任を怠った少年の両親に対して、1,500万円の支払いが命じられました。
しかし普通、自分の子どもがサッカーボールを蹴ったことで、道路にいた人が死んでしまうなどとは予想できるでしょうか。親に監督責任があるとしたら、四六時中子どもを監視していなければいけないことになります。
また、判決文だけでは不明な点もありますが、学校側の責任に言及されていないところも疑問に残ると著者はいいます。ボールが飛び出ないようなネットなどは設置されていなかったのでしょうか。
その後、この一審判決は控訴されましたが、高等裁判所でも約1,180万円の責任を認めるという判決が出ました。
ところが最高裁では一審二審とはまったく異なり、少年の責任を「認めない」という判決が下りました。
「たまたま事故が起こったとしても、その事故を予想することはできなかったのだから責任を負わない」という判断がされたのです。たしかに人が死亡したという結果は重いものですが、その責任を誰に負わせるのかはまた別の問題ということなのです。