その道20年のプロが考えた「成功する新商品の売り方」とは?
てやることで、商品やサービスが提供できる価値をふくらませることができるということ。
■この「ずらし」で売ったカップスープ
そこで、スープのお話です。
実は、味の素の「クノールカップスープ」が2010年から3年間実施した「つけパン」「ひたパン」キャンペーンの背後には「ずらし」の発想があるのだとか。
2007~08年ごろ、日本の多くの食品メーカーは原料の高騰に苦しみ、製品の大幅な見なおしに取り組んでいたのだといいます。
それまでクノールカップスープは品質をアピールしていたのですが、それでも売り上げが伸びなかったため、発想を転換したわけです。
■“わくわく感”を売り方の中心にしよう
そんななか、チームメンバーから出たのが、「ディップ・スタイル」という提案。こんがり焼いた食パンを切ってカップスープにつけるという、ユーザー調査から見つけた食べ方です。
そこで東京近郊の5店舗で「ディップ・スタイル」の店頭販売を行なったところ、予想以上に大好評。
その結果、大きな話題を呼んだ「つけパン」「ひたパン」キャンペーンが誕生したという流れなのです。
それまでの品質へのこだわりを訴える広告を変え、ユーザーがどのようにカップスープを楽しむのか、その“わくわく感”を売り方の中心に据えたわけです。