「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」が東南アジア諸国に及ぼす影響とは?
副総裁の金立群・元中国財政次官が有力視されています。金氏はAIIBの設立準備事務局長を務める人物です。
これまで明らかになったところでは、AIIB発足時の資本金は当初計画の2倍に相当する1000億ドル(約12兆円)になるとみられています。このうち、中国の出資比率は20%台後半になる可能性が高いといいます。
©Singapore Tourism Board
東南アジア諸国にとってのAIIBの存在意義
なぜAIIBがこれほどニュースで取り上げられるのか。それは、米国主導の世界銀行・IMFによる国際金融システムに対抗する機関として創設される意味が非常に大きいからです。
国際政治学の世界では、米国が覇権国家となれたのは世銀・IMFを中心にした国際金融システムによるところが大きいと見られています。また同時に、米国の覇権は新興国の台頭を背景に明らかに弱まっており、世界は多極化に進んでいるという見方が多くなっています。
AIIB創設は、まさにこの多極化を象徴する出来事として見ることができます。
東南アジア諸国にとっては、これまでインフラ開発するときの資金を融資してくれる国際金融機関は世界銀行かIMFしかありませんでした。