「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」が東南アジア諸国に及ぼす影響とは?
ADBは国際金融機関なのに、なぜ日本がここまで肩入れするのか、と疑問を持つ方もいるかもしれません。しかし実際は、世銀・IMFを取り仕切る米国の同盟国である日本がADBを創設以来取り仕切っています。それは、出資比率と歴代総裁を見てみると明らかです。
2013年時点のADBの最大出資国は日本(出資比率15.7%)です。米国の出資比率は15.6%と2番目で、米国から日本がADBを任されている構図がお分かりかと思います。また、ADBの歴代総裁は全員が日本人で、前総裁は現日銀総裁の黒田東彦氏でした。
このような構図があるため、米国と日本は一緒になって、世銀・IMFとADBの存在意義を相対的に低下させてしまうAIIBの動きに懸念を示しているのです。
©ASEAN-Japan Centre
AIIBとADBによる競争で、東南アジアのインフラ開発は加速するか?
インフラ開発の中でも、交通インフラの整備が進むことが予想できます。
中国は陸・海上の壮大な経済圏「シルクロード(一帯一路)」構想を実現しようとしています。一帯一路とは海上と陸上のインフラを整備して、アジア・中東・欧州をつなぐ巨大経済を創りだそうというもの。