2024年3月6日 10:10
「もう元の生活には戻れない…」認めたくない、他人に頼れない性格の母を介護する過酷さ【体験談】
母が他界するまで、2年ほどですが介護を経験しました。頭は最後までしっかりしていましたが、足腰が弱ってしまい自力で入浴や排泄ができなくなった末の介護でした。期間としては短いかと思いますが、それなりに大変でつらいと感じた経験をお話しします。
要介護認定がなかなか出ず…
母はもともと誰かのお世話になることが大嫌いな性格でした。若いころから働き者で、介護生活に入る直前まで家事をきり盛りし、年間の家族行事や家計のすべてが常に頭に入っているという人でした。ポジティブで気が強く、頭はしっかりした母でしたが、若いころに無理をしたために足腰だけはどんどん弱っていきました。
「せめて訪問入浴だけでも」と思い、兄弟で相談して要介護認定を受けることにしました。ところが、もともと誰かに頼ることが大嫌いな母は、ケアマネジャーさんが訪問してくれるたびに質問に対してウソの回答をします。
そのため、一向に要介護認定が下りませんでした。
そんなある日、母が倒れて緊急入院をしました。夜中のトイレが心配だったために寝るときに介護おむつの装着をすすめていましたが、意地でも自分でトイレに行こうとして転倒したようです。冬の寒い時期で、数時間廊下で倒れていたために体が冷えて熱を出し、1週間ほどの入院になりました。