「子ども・子育て支援新制度」で、子育て世代の暮らしはどう変わる?
つまり、一旦保育料を払ってキャッシュバックを受けている現行制度に対して、新制度では利用者の一時負担が軽減され、入園当初から保育料が安く抑えられるようになるということです。
保育料は所得に応じて変わる
保育所だけでなく、新制度に移行した場合の幼稚園や認定こども園も含めて、保育料の上限額は、所得の階層ごとに設定されます。保育所、認定こども園、小規模保育の場合は、保育が必要な時間の長さによって、上限金額も異なります(「保育標準時間(11時間)」と「保育短時間(8時間)」の2つの区分に分けられます)。
また、お子さまが2人以上いる場合、2人目以降の保育料が減額されます。
表4 多子世帯の保育料の軽減
資料:子ども・子育て支援新制度「なるほどBOOK」(平成26年9月改訂版)/
内閣府・文部科学省・厚生労働省をもとに執筆者作成
子育て家庭のためのサポートが充実!
保護者が働いていない場合でも、お子さまを預けられる場所が増えるように「一時預かり」事業が拡充されます。また、子育てに関する不安を払拭できるように、親子の交流や相談ができる場所も増やしていく方針です。
前述しましたが、放課後児童クラブの質も向上し、預けられる年齢も小学3年生から小学6年生までに引き上げられる予定です。
その他、病児保育なども利用しやすくなるよう、各市町村が中心となって進めます。
消費税増税が先送りとなり、新制度のスタートは?
平成27年4月スタートのこの新制度の実施のために、消費税増税の増収分から毎年7,000億円程度が充てられる予定でした。
すでに昨秋から今年の保育所申し込みは始まっており、新しい制度のスタートを前にして、増税先送りや解散総選挙があり、該当される保護者の皆さんはさぞかしやきもきされたのではないでしょうか。
しかし、自治体でも既に準備は始まっており、予定通り制度はスタートするはずです。
待機児童がなくなり、誰もが柔軟に働き方・生き方を選択できる世の中になるべく、この制度が形式的なものにならず、活気あるままスムーズに施行されることを願います。
コラム執筆者プロフィール 鈴木 さや子(すずき さやこ)
(株)ライフヴェーラ 代表取締役/mamaTanoマネーサロン 代表/CFP(R)/1級FP技能士/住宅ローンアドバイザー/キャリアコンサルタント(CDA)
家族が笑顔になれるための生活に役立つお金の知識を、主に女性向けに、セミナーやコラム記事などを通じて情報発信。保険などの商品を一切販売しないファイナンシャルプランナーとして活躍中。専門は教育費・ライフプラン・保険・住宅ローン・マネー&キャリア教育。女性の心に寄り添う個人相談にも定評がある。
企業講演の他、小・中学校や地域コミュニティなどでの講演やワークショップなど、保護者や親子向けイベントも行っている。
コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)
CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士
関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。
家計アイデア工房 代表
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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