一方、死亡された方の人身損失額は1,208億円で全体の10.0%、後遺障害を負った方の人身損害額は4,387億円となり、全体の36.2%です(図1)。死亡した方と後遺障害を負った方を合わせると、人数的には約5%ですが、人身損失額では約46%を占めます。このことから、死亡と後遺障害は、人数に比して損失額が大きいことがわかります。
図1 被害者数と人身損失額の割合
資料:日本損害保険協会「2014年度版 自動車保険データにみる交通事故の経済的損失の状況(2012年4月~2013年3月)」をもとに執筆者作成
意外な年齢層の被害が大きい!
2012年度から過去10年分の自動車事故データを年齢別でみてみると、後遺障害を負った方の人数は、29歳以下と50~69歳は減少傾向にあるものの、30~49歳は増加傾向に、70歳以上は微増傾向にあります(図2)。人身損失額では、同じく29歳以下と50~69歳は減少傾向にありますが、30~49歳と70歳以上は減少傾向とはいえない状態が続いています(図3)。
図2 被害者年齢別の後遺障害人数
資料:日本損害保険協会「自動車保険データ(支払保険金関連)」をもとに執筆者作成
図3 被害者年齢別の後遺障害による人身損失額
資料:日本損害保険協会「自動車保険データ(支払保険金関連)」をもとに執筆者作成
高齢者については、アクセルとブレーキの踏み間違いで建物に衝突したり、高速道路を逆走したりといったニュースを耳にすることも多くあります。運転技術に少しでも不安を感じたら、運転免許の返納手続きを考えましょう。しかし、中には自動車がないと生活に支障をきたす方がいらっしゃることも事実です。高齢者が運転をしなくても生活できる仕組みが、早急にできることを願います。