【保険料月1万円以下で豊かに暮らす】第5回目 高額療養費の対象にならない医療費をどう備えるか
入院中の食事代と差額ベッド代の備え方
入院中の食事代に関しては入院日数に連動してかかる費用なので、医療保険で備えるのが基本です。高額療養費制度を利用する場合にかかる医療費を入院日数で割り、それに1日780円を足したものが目安となります。第4回でもお話ししたとおり、健康保険の所得区分が一般所得者の場合、7,000円程度の医療保障を別途備えておけば、大部屋に入院したときの医療費を概ねカバーできる計算になります。
差額ベッド代に関しては、どの病院に入院するか、どんなグレードの病室に入りたいかなどによってかかる費用が大きく異なります。全額を民間の保険でカバーしようとすると保険料負担が重くなります。そのため、差額ベッド代は現預金で支払うことを検討することも必要かもしれません。病院もサービス業ですから、松竹梅があって当たり前。心配だからと言って、なんでもかんでも保険で備えようとすると、その分その他に使えるお金が減ってしまいますので注意してください。
病院によっては「差額ベッド代がかかる部屋しか空いていない」と言われることもあり、仕方なく利用するケースも少なくないと言われています。しかし、個室に入っても差額ベッド代を払わなくていいケースもあります。救急患者や手術直後など治療上個室にする必要がある場合や病棟管理の必要で個室に入院させる必要がある場合は病院側は差額ベッド代をもらってはいけないことになっています。また、患者側の同意なしにあとから差額ベッド代を請求することも禁止されているので覚えておきましょう。
先進医療は保険でカバーするのがいちばん!
先進医療は保険診療の対象にするかを評価する段階にある技術(治療・手術など)のことです。特定の大学病院などで研究・開発された難病などの新しい治療や手術などはある程度実績を積んで確立されると、厚生労働省に「先進医療」として認められます。平成24年11月1日現在で65種類(第3項先進医療技術として規定されている40種類を除く)の先進医療があります。
先進医療の技術料部分に関しては全額患者負担となります。
10万円程度の比較的安いものもありますが、図表2のように、がん治療関連の先進医療は比較的高く、重粒子線治療や陽子線治療にいたっては300万円近いお金を払わなければなりません。