くらし情報『サファリ・Pの新作演劇公演 2都市ツアーを京都・東京にて上演サファリ・P 第8回公演『透き間』 イスマイル・カダレ『砕かれた四月』より“名も声も姿も残らなかった人々の語る戦争”に耳を傾ける』

2022年1月12日 17:30

サファリ・Pの新作演劇公演 2都市ツアーを京都・東京にて上演サファリ・P 第8回公演『透き間』 イスマイル・カダレ『砕かれた四月』より“名も声も姿も残らなかった人々の語る戦争”に耳を傾ける

2020年から2021年にかけて、サファリ・Pは、この小説をモチーフに創作した小作品を発表した。この小説に惹かれたのは、現代もまだ、この掟が続いているからだ。小説を読み込むうち、死に見つめられた若い男とそれを取り巻く人間模様が、日本の特攻隊と似ていることに気がついた。
2020年夏には、20年前におきたコソボ紛争を実際に体験した若者と、戦争を体験していない私たち日本人との対話を行った。そこで私は、必死で目新しいことを聞き出そうとしている自分に気付いてしまう。正直にいって、実際に経験した人の話であるにもかかわらず、そのどれもが、書物で読んだことのあるものだった。それは私にとって「刺激的」ではなかった。そのことに失望すると言う私の情けなさと、戦争の加害・被害は、不思議と似通るのだと言うこと、この2点が明らかになった。

そこでようやく気がついた。
私たちの知る戦争は、主に生き残った人によって語られたものだ。あるいは死んでしまったとしても、遺書や写真を遺した人々の名や声や姿、それを私たちは戦争と呼んでいる。しかし実際にはほとんどの亡くなった人々が、ただ死んでいった。彼女ら、彼らは何も遺さないので、私たちは何が起きたのか、知ることができない。

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