2022年5月17日 14:00
縄文時代の人々は色にもこだわっていた!?美容考古学研究所と一緒に考える「赤の疑問」 5月25日(水)に国際文化学園にてサロンを無料開催
現代のベンガラ(麻田百貨店)
縄文人は、そのベンガラを漆に混ぜたりして櫛や土偶に塗り、装飾用、呪術用などに用いていたと、専門書にはさらりと書かれています。しかし、ベンガラというものは、そんなに簡単に作ることができたのでしょうか。縄文時代には酸化鉄が含まれている岩が、そこら中にゴロゴロしていたのでしょうか。その岩をどうやって叩き割って、そこから赤色顔料をどうやって取り出したのでしょうか。現代でも高度な専門技術を、縄文の人たちはどうやって取得したのでしょうか。そして、そもそもどうして赤を塗ったのでしょうか。これも専門書には呪術用と書かれていますが、どうして赤が魔除けになったのでしょうか。などと、次から次へと「?」が湧いてきます。
青森県八戸市 是川中居遺跡
鳥浜貝塚(左) カリンバ遺跡(右)
ベンガラにもいろいろな種類があるといいます。湿地や湖沼で採取できるものもあり、実はこちらの方が簡単に手に入ったのではないかという説もあります。また、丹とか辰砂という水銀由来の顔料も、縄文後期には存在したともいわれます。後世にはコチニールなどの動物由来のものや、紅花に代表される植物由来のものが登場してきますが、こういったものは縄文時代には全くなかったのでしょうか。