くらし情報『タラ号海洋プロジェクトの成果:巨大ウイルス、遺伝子組成の変化による環境適応が明らかに』

2023年10月13日 12:00

タラ号海洋プロジェクトの成果:巨大ウイルス、遺伝子組成の変化による環境適応が明らかに

例えば、宿主とウイルスが共に必要とする元素としてリンがあります。リンの供給が少ない環境にいるウイルスは、リンを環境から獲得するための遺伝子を保持しています。従って、ウイルスが生息環境を変えるとき、新たな環境における宿主に適応すると同時に、その環境変化によりもたらされる宿主細胞の生理学的・生物学的な条件(「微環境」)にも適応しなくてはならないことが考えられます。
そこで、遺伝子を多数保持し、真核微生物に感染する海洋巨大ウイルスが寒冷域である極域に適応するためには、遺伝子の種類を変える必要があるのかを調査しました。

■研究成果
まず、極域(寒冷域)と非極域(温暖域)に生息するウイルスと宿主の群集組成が大きく異なることを確認しました。
次に、進化の道筋を描く進化系統樹を作成し、寒冷域に頻出するウイルスと温暖域に頻出するウイルスがどのように分布しているかを調べました。すると、巨大ウイルスの複数の系統で、寒冷域型と温暖域型が混在していることが分かりました。このことから、進化の過程でウイルスの生息域が寒冷域と温暖域の間を幾度も変化してきたことが予想されます。
これをもとに、研究チームは、京都大学が開発するKEGGデータベースを利用し、ウイルス遺伝子の機能を予測しました。

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