芝浦工業大学、ポリフェノールの苦味刺激が肥満や糖尿病を予防することを発見
摂取したポリフェノールは、吸収性が低いためほとんど糞便中に排出されます。一方近年、ヒトを含む哺乳類において、苦味受容体は口腔内だけでなく消化管にも発現することが発見されました。消化管の苦味受容体の活性化は、耐糖能や食欲を調整する消化管ホルモンの分泌を調整する可能性が示唆されています。
しかしながら、ポリフェノールは8,000種類以上が確認されており、加えてヒトでは25種類の苦味受容体が存在するため、それらの相互作用と健康効果に至るメカニズムは不明であり、このギャップを埋める知見が求められていました。
■研究の概要
研究チームは、ポリフェノールと苦味受容体の相互作用による健康効果を理解することを目的に検証を行いました。その結果、100種を超えるポリフェノールが、10数種類の苦味受容体と相互作用する可能性が示されました。また、これらのポリフェノールを含む食品や画分を動物やヒトが摂取した場合においても、コレシストキニン(CCK)やインクレチンなどの胃腸ホルモンの分泌を促進することがわかりました。インクレチンにはグルコース依存性インスリン分泌ポリペプチドやグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)