中国茶文化学者、日本中国茶研究所所長 楊多傑氏のインタビュー記事を『人民日報海外版日本月刊』にて公開
中国でよく知られた茶に関する二つの慣用句――「柴米油塩醤酢茶」と「琴棋書画詩酒茶」は、中国においても茶は「雅」と「俗」という両者の境地をまたぐ存在として考えられていることを示していよう。
茶はよく人々の気持ちを喜ばせるもの、茶こそは人々にとっての恵みなのである。楊多傑氏が言うように、中国の茶文化はいわば原野から朝廷へと向かうものであったが、それは人々が生を営む大地の精華なのであるから、また人々の口に入るべきものなのである。ここで台湾を例に挙げよう。台湾はその恵まれた地理的条件のおかげで、小さな島でありながら、かつては全世界の茶葉の総生産量のうち十分の一を占めていたこともある。台湾茶葉の中興は1970年代に起こり、茶文化のブームが再燃してからは、しだいに内需から輸出へとその消費をシフトしていった。楊多傑氏に言わせれば、広い大地と豊かな物産を有する中国大陸には、数多くの唯一無二のすぐれたものがあり、銘茶もその一つであるという。
2000年に修訂された『中国名茶志』の統計によると、中国で現在生産されている銘茶は1017種、茶を産出する省は20にも上る。
中国茶の種類の豊かさ、品種の多さ、そして多彩な味わい、それらは疑いなく、異なるニーズを満たすための多様な選択を消費者に提供できるはずである。