中国茶文化学者、日本中国茶研究所所長 楊多傑氏のインタビュー記事を『人民日報海外版日本月刊』にて公開
とある。つまり、中国における茶文化の伝播の過程は、下から上へ、量から質へという急激な変化と捉えることができる。一方で日本の茶文化は、かつて中国に渡来した留学僧によってもたらされ、天皇や将軍に献上されてその価値が認められると、次には貴族文化を代表するものとなった。
楊多傑氏は、「今日の日本における煎茶の器具とプロセスは、中国茶を表現するのにも全く適したものです」と指摘している。中国と日本の茶文化は、千年以上にわたりそれぞれ独自の進化と発展を遂げてきたはずだが、それでもなお根本的には似ている部分がある。
近代国家となってのち、日本の茶文化は貴顕の趣味から大衆の娯楽へと向かった。さらに都市の発展にともなって、形式の異なる様々なボトル入りの茶が大小の店舗や自動販売機で購入できるようになり、未曾有の普及を遂げるに至る。だが、興味深いことにペットボトル入りの日本の茶は、味に一家言ある中国の人々を満足させることはできず、多くの旅行客がこれは茶ではないと感じた。
しかし楊多傑氏は、日本における茶飲料の普及と拡大を肯定的に評価している。というのも、たとえ凝った茶席で出る茶であろうと、冷えたお茶やペットボトル入りの茶であろうとも、一般の人々が好んで茶を飲み、それが習慣になってこそ、茶文化の発展が促進されるからである。